スキップしてメイン コンテンツに移動

訪問看護の加算一覧|単位数つきで解説|緊急時訪問看護加算は(Ⅰ)600単位・(Ⅱ)574単位

訪問看護ステーションの売上は「基本単位数 × 訪問回数」だけでは決まりません。実際には、体制を整えることで毎月上乗せできる加算と、場面ごとに算定できる加算の積み上げが収益を大きく左右します。

とくに緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算の3つは、届出と体制さえ整えれば継続的に算定でき、月あたりの収益インパクトが最も大きい加算です。

この記事では、介護保険の訪問看護で算定できる加算を単位数つきで一覧にし、取りこぼしやすいポイントまで整理します。

この記事でわかること

  • 訪問看護の加算は大きく3タイプに分かれること
  • 体制を整えると毎月つく加算と、その単位数
  • 緊急時訪問看護加算が(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれたという重要な変更点
  • 算定を取りこぼしやすい加算
  • よくある質問

訪問看護の加算は3タイプに分けて覚える

タイプいつ算定するか代表例
体制でつく加算届出・体制があれば毎月緊急時訪問看護加算/特別管理加算/看護体制強化加算
訪問のたびにつく加算訪問1回ごと夜間・早朝・深夜/サービス提供体制強化加算
場面でつく加算その場面が発生したとき初回加算/退院時共同指導加算/ターミナルケア加算

この3タイプで整理しておくと、「今月どの加算が取れるはずだったか」をレセプト前に自分でチェックできるようになります。

 通常の営業時間でなく、夜間(午後6時から午後10時)や早朝(午前6時から午前8時)、深夜(午後10時から午前6時)の場合に加算があります。

介護保険の訪問看護の加算

夜間又は早朝の場合基本単位数の
25/100を加算
若しくは深夜の場合基本単位数の
50/100を加算


算定要因は次のとおりです。

  • 夜間、深夜または早朝の時間帯にサービスを提供していること
  • 居宅介護サービス計画または訪問介護(訪問看護)計画上、サービスの開始時刻が、夜間、深夜、早朝の時間帯にあること

他にも体制を整えることでいただける加算があります。

訪問看護の加算

特別地域訪問看護加算+15/100
中山間地域等における小規模事業所加算+10/100
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算+5/100
緊急時訪問看護加算(※)

指定訪問看護ステーションの訪問看護
1月につき +574単位

病院又は診療所による訪問看護
1月につき +315単位

特別管理加算

1月につき(Ⅰ)の場合
+500単位

1月につき(Ⅱ)の場合
+250単位

ターミナルケア加算

死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを行った場合

+2,000単位


この中で、うちは
・緊急時(介護予防)訪問看護加算
・特別管理加算
・ターミナルケア加算
の3つをいただける場合があります。

その他にも

初回加算

初回加算1月につき +300単位

退院時共同指導加算

退院時共同指導加算1回につき +600単位

看護・介護職員連携強化加算

看護・介護職員連携強化加算1回につき +250単位

看護体制強化加算

指定訪問看護ステーションの場合と、病院又は診療所の場合のみ

看護体制強化加算(Ⅰ)1月につき +550単位
看護体制強化加算(Ⅱ)1月につき +200単位

サービス提供体制強化加算(Ⅰ)1回につき +6単位
サービス提供体制強化加算(Ⅱ)1回につき +3単位

があります。

【重要】緊急時訪問看護加算は(Ⅰ)と(Ⅱ)に分かれています

上の表に載せた574単位は、現在の区分でいう(Ⅱ)にあたります。現行制度では、看護職員の負担軽減に取り組んでいる事業所は上位区分の(Ⅰ)を算定できます。

区分訪問看護ステーション病院・診療所
緊急時訪問看護加算(Ⅰ)1月につき +600単位1月につき +325単位
緊急時訪問看護加算(Ⅱ)1月につき +574単位1月につき +315単位

(Ⅰ)を算定するために必要なこと

(Ⅱ)の要件(利用者の同意・計画外の緊急訪問に対応できる体制・都道府県への届出)に加えて、次の2つが必要です。

  • 利用者や家族から電話等で相談を受けた際に常時対応できる体制を整えていること
  • 看護業務の負担軽減の取り組みとして、下記のうち(ア)または(イ)を含む2項目以上を満たすこと
(ア)夜間対応した翌日の勤務間隔を確保する
(イ)夜間対応の連続回数を2回までとする
(ウ)夜間対応後の暦日の休日を確保する
(エ)夜間勤務のニーズに応じた勤務体制の工夫をする
(オ)ICT・AI・IoTの活用で業務負担を軽減する
(カ)連絡相談を担当する者への支援体制を確保する

月1利用者あたり26単位の差ですが、緊急時対応の同意を取っている利用者が30名いれば月780単位、年間で約9万円以上の差になります。オンコール体制の見直しとセットで検討する価値があります。

取りこぼしやすい加算3つ

1. 初回加算(+300単位)

新規利用者の初回月に1回だけ算定できます。「新規が入った月は必ず確認する」とルール化しておかないと、そのまま流れてしまいがちです。

2. 退院時共同指導加算(+600単位)

入院中の病院で、医療機関の職員と共同して在宅での療養指導を行ったときに算定します。退院前カンファレンスに参加したのに算定していない、というのが典型的な取りこぼしです。参加した日付と参加者を記録に残しておきましょう。

3. 看護・介護職員連携強化加算(+250単位)

喀痰吸引等を行うヘルパー事業所と連携し、計画作成の支援や助言を行った場合に算定します。訪問介護と密に連携しているステーションほど、算定できるのに使っていないケースが多い加算です。

加算を積み上げるとどれくらい変わるか

たとえば、緊急時訪問看護加算(Ⅰ)と特別管理加算(Ⅰ)を両方算定できる利用者が1人いれば、それだけで1月あたり1,100単位の上乗せになります。訪問1回分の基本単位数を超える金額が、訪問回数を増やさずに積み上がる計算です。

加算は「取れる人から確実に取る」ことが、そのまま職員の待遇や採用力につながります。

よくある質問

Q. 緊急時訪問看護加算は、実際に緊急訪問しなくても算定できますか?

A. できます。これは体制に対する加算のため、24時間連絡・対応できる体制を整え、利用者の同意を得ていれば、その月に緊急訪問が発生しなくても算定できます。

Q. 夜間・早朝と深夜の時間帯の区切りは?

A. 夜間は18時〜22時、早朝は6時〜8時で基本単位数の25%、深夜は22時〜翌6時で基本単位数の50%の加算です。判定は「サービスの開始時刻」で行います。

Q. 医療保険の訪問看護でも同じ加算がつきますか?

A. つきません。医療保険は診療報酬の体系で、24時間対応体制加算・特別管理加算・ターミナルケア療養費など、名称も金額も別建てです。同じ利用者でも保険が切り替われば加算も切り替わります。

まとめ

  • 加算は「体制でつく/訪問のたび/場面で」の3タイプで整理する
  • 収益インパクトが大きいのは緊急時訪問看護加算・特別管理加算・ターミナルケア加算
  • 緊急時訪問看護加算は(Ⅰ)600単位/(Ⅱ)574単位に分かれ、負担軽減の取り組みで上位区分が取れる
  • 初回・退院時共同指導・看護介護職員連携強化は取りこぼしやすいので月次でチェックする

PR
加算をどこまで取りにいくかは、事業所の方針で大きく変わります。体制加算をきちんと算定している事業所ほど、給与や人員配置にも余裕があります。求人票の待遇差が気になったら、他事業所の条件を並べて見てみるのが早いです。
介護・福祉の転職サイト『介護JJ』

関連記事

コメント

このブログの人気の投稿

訪問看護で必要な書類一覧|看護記録書Ⅰ・Ⅱの違いと計画書・報告書の提出先を早見表で整理

訪問看護ステーションでは、ケアそのものと同じくらい 書類の作成が業務時間を占めます 。しかも「どの書類を、いつ、誰に出すのか」が整理できていないと、実地指導での指摘や、加算の算定漏れに直結します。 この記事では、訪問看護で作成する主な書類を 作成タイミングと提出先の早見表 にまとめ、それぞれの書き分けのポイントを整理します。 この記事でわかること 訪問看護で作成する書類の全体像 看護記録書Ⅰと看護記録書Ⅱの違い 計画書・報告書をいつ、誰に提出するか 加算の算定に必要になる記録 書類の早見表 書類 作成タイミング 主な提出・交付先 訪問看護記録書Ⅰ 初回サービス提供時(状態変化時にも更新) 事業所内で保管 訪問看護記録書Ⅱ 訪問するたび 事業所内で保管 訪問看護計画書 サービス開始時/目標・状態・指示書・ケアプランの変更時 利用者(同意のうえ交付)・主治医・ケアマネジャー 訪問看護報告書 月1回を目安に定期的に 主治医(ケアマネジャーにも共有) 情報提供書 他機関へ情報を引き継ぐとき 市町村・学校・他の医療機関など 褥瘡対策に関する計画書 褥瘡のリスク・発生があるとき 事業所内で保管(主治医と共有) 業務日報 毎日 事業所内で保管 看護サマリー 入院・転院・サービス終了時 入院先・転院先の医療機関など 訪問看護記録書Ⅰ(フェイスシート) フェイスシートとも呼ばれ、 初回のサービス提供時に作成 します。これから提供する訪問看護のために、知っておくべき基本的な情報を収集して記載する書類です。主治医など、連携する他職種から得た情報もまとめて記入します。 訪問看護は毎回同じ看護師が訪問できるとは限りません。だからこそ 初回以外でも、状態が変化したタイミングで更新しておく ことが望ましい書類です。「誰が入っても同じ前提でケアに入れる」状態を作るのが、この書類の目的です。 記載しておきたい項目 基本情報(氏名・生年月日・住所・連絡先・家族構成) 主治医・医療機関・ケアマネジャーの連絡先 既往歴・現病歴・服薬状況 介護保険の要介護度、医療保険か介護保険か 住環境(段差・トイレ・浴室・入口の状況) 本人・家族の意向、緊急時の連絡順位 訪問看護記録書Ⅱ 訪問するたびに作成 する記録です。記載方法に決まった様式はありま...

ターミナルケア加算とは?2,500単位に引き上げ|死亡日前14日の数え方と医療保険との使い分け

ターミナルケア加算は、訪問看護の加算のなかで 1件あたりの単位数が最も大きい加算 です。看取りに関わったのに算定できていなかった、というのは金額的にも大きな取りこぼしになります。 現在の単位数は2,500単位 です(以前は2,000単位でした)。加算の性質上、算定できるかどうかは 亡くなる前の14日間に何日ケアに入っていたか で決まるため、その時点での動き方がそのまま結果を左右します。 この記事でわかること ターミナルケア加算の単位数( 2,500単位 に引き上げられています) 「死亡日前14日以内に2日以上」の数え方 1日以上でよい利用者 がいること 医療保険と介護保険をまたいだ場合、どちらで算定するか 記録がないと算定できないという実務上の注意 単位数 加算 単位数 算定するタイミング ターミナルケア加算 2,500単位 利用者の 死亡月 に1回 「2日以上」と「1日以上」の違い 原則は 死亡日および死亡日前14日以内に2日以上 ターミナルケアを行っていることですが、末期の悪性腫瘍など厚生労働大臣が定める状態の利用者は 1日以上 で算定できます。 利用者 必要な日数 原則 死亡日+死亡日前14日以内に 2日以上 末期の悪性腫瘍、ALS、多発性硬化症、重症筋無力症、パーキンソン病関連疾患、人工呼吸器使用中の状態 など 死亡日+死亡日前14日以内に 1日以上 「あと1日足りない」というケースを防ぐには、状態が変化した時点で 訪問間隔を詰める判断 をしておくことが実務的なポイントになります。  ターミナルケア加算とは、ターミナルケアを行う体制を整え、ターミナル期の利用者にターミナルケアを実施することを評価する加算です。 死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを行った場合 2,500単位/月 〈算定要件〉 ・24時間連絡できる体制を確保し、必要に応じて訪問できる体制を整備していること ・体制を届け出を行っていること ・主治医との連携の下に、ターミナルケアに係る計画、支援体制について利用者とその家族に説明し、同意を得てターミナルケアを行っていること ・死亡日、死亡日前14日以内に2日(末期の悪性腫瘍等の特定の利用者については1日)以上ターミナルケアを行っていること ・ターミナルケアの提供について必要な...

特別管理加算とは?(Ⅰ)500単位・(Ⅱ)250単位の対象者早見表|どちらで算定するか迷わない判断手順

特別管理加算は、 医療的な管理が必要な利用者を担当したときに毎月上乗せできる加算 です。緊急時訪問看護加算と並んで、訪問回数を増やさずに収益を積み上げられる数少ない加算のひとつです。 ポイントは (Ⅰ)500単位と(Ⅱ)250単位のどちらに当てはまるか 。対象となる状態が細かく決まっており、「(Ⅱ)で算定していたが実は(Ⅰ)だった」という取りこぼしが起こりやすい加算でもあります。 この記事でわかること 特別管理加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の単位数と対象者の違い どの状態がどちらに該当するかの 早見表 1人の利用者につき1事業所しか算定できないというルール 褥瘡・点滴で必要になる 記録の要件 まずは早見表で確認 区分 単位数 対象となる状態 (Ⅰ) 1月につき+500単位 在宅悪性腫瘍等患者指導管理/在宅気管切開患者指導管理/気管カニューレの使用/留置カテーテルの使用 (Ⅱ) 1月につき+250単位 在宅自己腹膜灌流/在宅血液透析/在宅酸素療法/在宅中心静脈栄養法/在宅自己導尿/在宅持続陽圧呼吸療法/在宅自己疼痛管理/在宅肺高血圧症患者の各指導管理、人工肛門・人工膀胱、真皮を越える褥瘡、週3日以上の点滴注射 (Ⅰ)は4つだけ と覚えておくと判断が早くなります。「気管切開・気管カニューレ・留置カテーテル・在宅悪性腫瘍等」の4つに当てはまらなければ(Ⅱ)を検討する、という順番です。  特別管理加算とは、特別な管理を必要とする利用者に対して、計画的な管理を行うことを評価する加算です。 (介護予防)訪問看護 (Ⅰ)500単位/月            (Ⅱ)250単位/月 〈(Ⅰ)の算定要件〉 ・訪問看護サービスの実施に関する計画的な管理を行っていること ・利用者や居宅介護支援事業所が事業所を選定する上で必要な情報として届出していること ・訪問の際、利用者の症状が重篤だった場合、速やかに医師による診察を受けることができるように支援すること ・次の利用者に対して訪問看護を行うこと   在宅悪性腫瘍等患者指導管理を受けている状態   在宅気管切開患者指導管理を受けている状態   気管カニューレを使用している状態   留置カテーテルを使用している状態 〈(Ⅱ)の算定要件〉 ・訪問看護サービスの実施に関する計画的な管理を行っていること ・利用者や居宅...