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8月, 2026の投稿を表示しています

訪問看護からのリハビリと訪問リハビリの違い|どちらを選ぶかの判断軸と、看護師が押さえる3点

「訪問リハビリ」と「訪問看護ステーションからのリハビリ」は、利用者さんから見ると同じに見えます。実際、家に来て運動を手伝ってくれる点は変わりません。 ですが 制度上はまったく別のサービス で、どちらを使うかで手続きも回数も費用も変わります。 この記事では、両者の違いと、 どちらを選ぶかの判断軸 を整理します。 いちばん大きな違いは「どこから来るか」 訪問看護ステーションからのリハビリ 訪問リハビリテーション 提供元 訪問看護ステーション 病院・診療所・老健・介護医療院 来る人 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 位置づけ 看護業務の一環 としてのリハビリ リハビリテーションそのもの 必要な指示 訪問看護指示書 医師の診察が前提 (提供元の医師) 看護師の関与 あり。 定期的に看護師も訪問して評価する 基本的にない ここがポイントです。 訪問看護からのリハビリは、あくまで「看護の一環」 という位置づけになっています。だからこそリハビリ職だけが訪問し続ける形は想定されておらず、 看護師による定期的な訪問と評価 が求められます。 一方の訪問リハビリは、 提供元の医師が診察したうえで 計画を立てて提供します。診察が前提になるぶん、手続きは重くなります。 どちらを選ぶかの判断軸 実務では、次のような整理になることが多いです。 状況 向いているほう 医療的な管理(服薬・褥瘡・在宅酸素など)も必要 訪問看護から 。看護とリハビリを一体で見られる 体調の変化が大きく、こまめな観察が要る 訪問看護から 退院直後で、退院した病院がリハビリを継続してくれる 訪問リハビリ 。入院中の情報がそのまま引き継がれる 身体機能の回復が主目的で、医療的な管理は薄い 訪問リハビリ 地域に訪問リハビリの事業所がない 訪問看護から (実務上いちばん多い理由) 最後の行が、現実にはかなり効いています。 訪問リハビリは病院や老健が母体でないと提供できないため、地域によっては選択肢がありません。結果として訪問看護ステーションからのリハビリが担っている、という構図です。 看護師側が知っておきたいこと リハビリ職の訪問が多いステーションで働く場合、看護師として押さえておきたい点が3つあります。 ①リハビリ職だけの体制には...

訪問看護は医療保険か介護保険か|判断の順番と、別表第7・特別指示書14日の数え方

「この方、どっちで算定でしたっけ」 訪問から戻って記録を書きながら、手が止まった日があります。 要介護認定はある。でも先週、主治医から特別訪問看護指示書が出ていた。 訪問看護でいちばん間違えやすいのが、 医療保険と介護保険のどちらで算定するか だと思います。 「要介護認定があれば介護保険」。おおむねそのとおりなのですが、 例外が3つ あって、その例外が実務では頻繁に出てきます。しかも間違えると返戻になります。 私も最初は毎回調べ直していました。今回は、判断を上から順に追える形で整理します。 判断は、上から順に3段だけ 迷ったら、この順番で確認してください。 要介護・要支援の認定があるか …なければ 医療保険 で確定 認定がある場合 …原則は 介護保険 が優先 ただし、次のいずれかに当てはまれば医療保険に切り替わる 厚生労働大臣が定める疾病等( 別表第7 )に該当する 特別訪問看護指示書 が交付されている 精神科訪問看護 (認知症を除く精神疾患が主たる傷病) この3段だけです。逆にここを押さえていないと、毎回調べ直すことになります。 そもそも介護保険が使えるのは誰か 介護保険が使えるのは、65歳以上、または40〜64歳で特定疾病に該当し要介護認定を受けた方です。 状況 保険 40歳未満 医療保険 40〜64歳・特定疾病でない 医療保険 40〜64歳・特定疾病+要介護認定あり 介護保険(例外3つに当たれば医療保険) 65歳以上・認定なし 医療保険 65歳以上・認定あり 介護保険(例外3つに当たれば医療保険) 小児の訪問看護がすべて医療保険になるのは、この一番上の行が理由です。 例外① 別表第7に当たると医療保険 別表第7は、厚生労働大臣が定める疾病等のリストです。 末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、後天性免疫不全症候群など、20の疾病等が挙げられています。 ここに該当すると、 要介護認定があっても医療保険が優先 されます。 実務でとくに影響が大きいのは 末期の悪性腫瘍 です。 介護保険で入っていた方ががんの末期と診断されると、そのタイミングで医療保険に切り替わります。 切り替えの判断が遅れると請求が合わなくなるので、 主治医からの...

訪問看護ステーションの開業要件|常勤換算2.5の作り方と、指定申請までの逆算スケジュール

訪問看護ステーションを立ち上げたい。そう考えたときに最初にぶつかるのが、 「結局、何がそろえば指定を受けられるのか」 という問いです。 調べると人員基準・設備基準・運営基準という言葉が並びますが、実務で本当に効いてくるのは限られています。この記事では、 開設までに必ずクリアしなければならない要件 を、つまずきやすい順に整理します。 大前提:法人でなければ指定を受けられない 個人事業では訪問看護ステーションの指定は受けられません。 株式会社・合同会社・一般社団法人・医療法人・NPO法人など、法人格が必要 です。 そして見落としやすいのが 定款の事業目的 です。目的に「訪問看護事業」に相当する記載がないと、指定申請の段階で差し戻されます。既存の法人で始める場合は、 定款変更に要する時間を先に見込んでおいてください。 ここで1か月ずれる例は珍しくありません。 人員基準:常勤換算2.5以上、うち1人は常勤 最大の関門がここです。 職種 基準 看護職員 (保健師・看護師・准看護師) 常勤換算で2.5人以上 うち 1人以上は常勤 管理者 常勤専従 。原則として保健師または看護師 (適切な訪問看護に必要な知識・技能を有すること) 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 実情に応じた適当数( 配置しなくてもよい ) 常勤換算の計算はシンプルです。 常勤職員の週の勤務時間が40時間なら、週20時間の非常勤は0.5人。全員の勤務時間を合計して40で割った数が常勤換算数になります。 つまり 常勤1人+週30時間1人+週30時間1人=2.5 という組み方でも要件は満たせます。フルタイム3人を最初から集める必要はありません。ここを誤解して「常勤3人そろうまで動けない」と止まってしまう方がとても多いところです。 もう一つの注意点として、 管理者は常勤で、原則として管理業務に専従 です。「自分が管理者をやりながらガンガン訪問に出る」という前提で計算していると、人員が足りなくなります。管理者の訪問がどこまで認められるかは自治体で解釈に幅があるため、 必ず所管の窓口に事前確認してください。 設備基準:事務所は「専用」であること 意外につまずくのがこちらです。 事業の運営に必要な広さの専用事務室 … 他の事業と間仕切りなく共用している状態はNGになりやすい...

精神科訪問看護を始めたい看護師へ|要件は4つのうち1つ・GAF尺度の記載3か所

訪問看護の求人を見ていると「精神科訪問看護」という区分が目に入ります。興味はあるけれど、 自分にできるのか、そもそも要件を満たしているのか が分からない。そこで止まっている看護師さんは多いはずです。 この記事では、 精神科訪問看護に必要な要件 と、 一般の訪問看護と何が違うのか を整理します。結論から言うと、要件は 4つのうちどれか1つ を満たせば足ります。 要件は「4つのうち1つ」 精神科訪問看護基本療養費を算定するには、訪問する看護師等が次のいずれかに該当している必要があります。 すべてではなく、いずれか1つです。 精神科を標榜する医療機関の 精神病棟または精神科外来での勤務経験が1年以上 精神疾患を有する方への訪問看護の経験が1年以上 精神保健福祉センターまたは保健所での精神保健業務の経験が1年以上 国・都道府県・医療関係団体が主催する 研修を修了 していること 「精神科での勤務経験がないと無理」と思われがちですが、そうではありません。 4番目の研修ルートがあります。 経験がない方が精神科訪問看護に入る場合、実際にはこのルートが中心になります。 研修は 20時間以上で修了証が交付されるもの が要件とされ、含むべき科目も定められています。どの研修が要件を満たすかは主催団体の案内に明記されているので、申し込む前に必ずそこを確認してください。 GAF尺度の記載を忘れると算定できない 精神科訪問看護でいちばん実務的に効いてくるのが、 GAF尺度(機能の全体的評定尺度) です。 月の初日の訪問時に判定した値 を、次の3か所に記載する必要があります。 訪問看護記録書 判定した値を記載 訪問看護報告書 同じ値を記載 訪問看護療養費明細書(レセプト) 同じ値を記載 この3か所がそろっていないと算定できません。 しかも「月の初日の訪問時」という縛りがあるため、月初の訪問でうっかり評価を忘れると、その月がまるごと危うくなります。 実務上は、 月初の訪問だけチェックリストを別にしておく のが確実です。GAFは慣れれば数分の作業ですが、忘れると取り返しがつきません。 一般の訪問看護と何が違うか 制度上の違いよりも、 訪問の中身の違い のほうが大きいと感じるはずです。 一般の訪問看護 精神科訪問看護 主な対象 身体疾患・医療...

訪問看護師の転職で失敗しない見極めポイント7つ|求人票のどこを見るか

訪問看護は求人が豊富な分野です。ただ「訪問看護ステーション」と一括りにされていても、中身は事業所ごとにまったく違います。同じ「訪問看護」で転職した2人が、片方は生き生きと働き、片方は半年で辞める——現場ではよくあることです。 この記事では、求人票と面接で必ず確認しておきたい7つのポイントを、訪問看護ステーションの運営側の視点も交えて解説します。 ① オンコールの回数と手当の内訳 訪問看護の転職で、入職後のギャップが最も大きいのがここです。求人票に「オンコール手当あり」とだけ書かれている場合、次の3点を必ず質問してください。 月に何回の待機か(スタッフ数で割り算すると見えてきます) 待機手当 はいくらか(1回あたり1,000〜3,000円が一般的な水準) 実際に出動した場合 の手当は別途つくか(ここが別建てかどうかで年収が変わります) 「待機手当だけで出動手当がない」事業所は、夜間に何度呼ばれても収入が変わりません。逆に、待機は多くても出動が月1〜2回という事業所もあります。回数だけでなく、 利用者層(ターミナル中心か、慢性期中心か) を聞くと出動頻度の見当がつきます。 ② 直行直帰が可能か、事業所に戻る必要があるか ここは生活の質に直結します。訪問後にいちいち事業所へ戻る運用だと、実質的な拘束時間が1時間以上伸びることがあります。 チェックすべきは、記録をどこで書くかです。 タブレット等でその場で記録できる体制か、事業所のPCでしか記録できないか 。後者の場合、直行直帰は事実上できません。 ③ 1日の訪問件数と移動手段 常勤で1日4〜6件が標準的なラインです。7件以上が常態化している場合、記録の時間が確保できず残業か持ち帰りになりがちです。 あわせて、社用車があるか・自家用車持ち込みか、ガソリン代の支給基準はどうかも確認しておきましょう。自家用車持ち込みで距離あたりの支給額が低いと、地味に負担になります。 ④ 教育体制:同行訪問は何回あるか 訪問看護は「一人で判断する場面」が病棟より圧倒的に多い仕事です。だからこそ、入職時の同行訪問の回数が重要になります。 目安として、訪問看護の経験がない方であれば 最低でも1か月・20件程度の同行 があると安心です。「2〜3回同行したら一人で回ってもらいます」という事業所は、経験者向けと考えたほうがいいでしょう。 面接では...

訪問看護師1年目がつまずく「オンコール」のリアル|回数・手当相場・向き不向きを現場目線で

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。 枕元に置いた携帯が鳴るかもしれない。 その一晩を、私は何度も浅い眠りで過ごしました。鳴らなかった夜でも、朝はぐったりしている。 訪問看護のオンコール(夜間・休日の電話当番)が不安で、一歩を踏み出せずにいる方は多いのではないでしょうか。 私も最初はそうでした。「夜中に呼ばれたら何をすればいいのか分からない」というのが、いちばんの不安でした。 この記事では、 実際の頻度と手当の相場 という数字の話と、 やってみて分かった気持ちの持ちよう の両方をまとめます。 実際、どのくらい鳴るのか まず気になるのは頻度だと思います。 ある調査(緊急訪問回数)では、 月1〜3回が最も多く41.7% 、次いで月4〜6回が23%。 日本看護協会の調査(2024年12月)では、 待機のみの対応が月平均7.7回、電話のみでの対応が月平均5回、実際の緊急訪問は月平均2.3回程度 という結果が出ています。 つまり 「当番=毎回呼び出される」わけではありません 。待機日でも一度も鳴らないことは珍しくない、というのが実態に近いようです。 そして鳴ったとしても、そのすべてが訪問になるわけではない。ここが最初のポイントです。 電話の内容 多くの場合の対応 状態の変化についての相談 電話で助言して終わる ことが多い 医療機器のアラームが鳴った 手順を電話で伝えて解決することがある 不安・眠れないという訴え 話を聞くことが対応そのものになる 明らかな急変 訪問、または医師・救急へつなぐ ただし、事業所の看護師人数や利用者さんの重症度によって差が大きいところです。 「当番は月に何回まわってくるか」「直近半年の呼び出し実績」 は、就職前に必ず確認しておきたい点だと思います。 手当はいくらが相場か 手当は大きく2つに分かれます。 待機手当 (電話を持っているだけでもらえる分)と、 緊急訪問手当 (実際に出動した分)です。 相場 待機手当 1回あたり 1,000〜3,000円程度 が中心。「1,000〜2,000円未満」34.2%、「2,000〜3,000円未満」31%。5,000円以上の事業所もある 緊急訪問手当 定額 5,000円以上 が最多で28.7%、次いで4,000〜5,000円...