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精神科訪問看護を始めたい看護師へ|要件は4つのうち1つ・GAF尺度の記載3か所

訪問看護の求人を見ていると「精神科訪問看護」という区分が目に入ります。興味はあるけれど、自分にできるのか、そもそも要件を満たしているのかが分からない。そこで止まっている看護師さんは多いはずです。

この記事では、精神科訪問看護に必要な要件と、一般の訪問看護と何が違うのかを整理します。結論から言うと、要件は4つのうちどれか1つを満たせば足ります。

要件は「4つのうち1つ」

精神科訪問看護基本療養費を算定するには、訪問する看護師等が次のいずれかに該当している必要があります。すべてではなく、いずれか1つです。

  1. 精神科を標榜する医療機関の精神病棟または精神科外来での勤務経験が1年以上
  2. 精神疾患を有する方への訪問看護の経験が1年以上
  3. 精神保健福祉センターまたは保健所での精神保健業務の経験が1年以上
  4. 国・都道府県・医療関係団体が主催する研修を修了していること

「精神科での勤務経験がないと無理」と思われがちですが、そうではありません。4番目の研修ルートがあります。 経験がない方が精神科訪問看護に入る場合、実際にはこのルートが中心になります。

研修は20時間以上で修了証が交付されるものが要件とされ、含むべき科目も定められています。どの研修が要件を満たすかは主催団体の案内に明記されているので、申し込む前に必ずそこを確認してください。

GAF尺度の記載を忘れると算定できない

精神科訪問看護でいちばん実務的に効いてくるのが、GAF尺度(機能の全体的評定尺度)です。

月の初日の訪問時に判定した値を、次の3か所に記載する必要があります。

訪問看護記録書判定した値を記載
訪問看護報告書同じ値を記載
訪問看護療養費明細書(レセプト)同じ値を記載

この3か所がそろっていないと算定できません。 しかも「月の初日の訪問時」という縛りがあるため、月初の訪問でうっかり評価を忘れると、その月がまるごと危うくなります。

実務上は、月初の訪問だけチェックリストを別にしておくのが確実です。GAFは慣れれば数分の作業ですが、忘れると取り返しがつきません。

一般の訪問看護と何が違うか

制度上の違いよりも、訪問の中身の違いのほうが大きいと感じるはずです。

一般の訪問看護精神科訪問看護
主な対象身体疾患・医療処置・看取り統合失調症・気分障害・依存症など
訪問の中心処置・観察・身体管理対話・服薬支援・生活リズムの立て直し
成果の見え方比較的短期で分かる数か月〜年単位で動く
連携先主治医・ケアマネ・家族精神科主治医・相談支援専門員・保健所・作業所
難しさ医療的判断のスピード距離の取り方と、変化しない時期の耐え方

処置が少ないぶん楽そうに見えますが、実際は逆のことが多いです。「何もしないで話を聞いて帰る」訪問に意味を見出せるかどうかが、向き不向きの分かれ目になります。

始める前に知っておきたい3つ

①すぐには変わらない
今日の訪問で状態が良くなることは、まずありません。半年かけて外出が1回増えた、というのが成果です。短期の手応えを求める人ほどつらくなります。

②距離が近くなりすぎる
生活に深く入るぶん、依存的な関係になりやすい領域です。「この看護師さんじゃないと嫌だ」という状態は、一見信頼のようでいて、チームで支える形が崩れているサインでもあります。

③一人で抱えない仕組みが要る
だからこそ、ステーション側にカンファレンスや相談の体制があるかが決定的です。精神科訪問看護は、個人の腕ではなくチームの構造で支える仕事です。

よくある質問

Q. 准看護師でも訪問できますか
訪問できる職種の範囲や要件の適用は、算定区分ごとに定めが異なります。自分のステーションの算定内容に照らして管理者に確認してください。

Q. 精神科の経験がまったくなくても大丈夫ですか
研修ルートで要件は満たせます。ただし要件を満たすことと、一人で訪問できることは別です。同行訪問の期間をどれくらい取ってもらえるか、入職前に必ず確認してください。

Q. 単位数や報酬の区分を知りたいのですが
精神科訪問看護基本療養費の区分や金額は改定のたびに変わります。直近でも同一建物の人数区分や日数の数え方が見直されています。数字は必ず最新の告示・通知と、ご自身のステーションのレセプト担当で確認してください。この記事では意図的に金額を書いていません。

まとめ

  • 要件は「精神科勤務1年以上/精神疾患の訪問看護1年以上/精神保健業務1年以上/研修修了」のいずれか1つ
  • 経験がなければ、20時間以上・修了証ありの研修ルートで満たせる
  • GAF尺度は月の初日の訪問で判定し、記録書・報告書・レセプトの3か所に記載
  • 一般の訪問看護とは、成果の出方も距離の取り方も違う。チーム体制のあるステーションを選ぶこと

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